安藤サクラ、父の映画で主役デビュー [クローズアップシネマ]
2008/1/10(木) 23:08 投稿:H 記事URL トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
あけましておめでとうございます。今年も映画情報番組『シネマストリート』をよろしくお願いいたします。
新年最初に、この番組ブログでご紹介するのは、モントリオール世界映画祭で三冠受賞『長い散歩』の奥田瑛二監督の最新作。この『風の外側』で主演デビューの安藤サクラさんに、昨年の公開前にお話を聞き、放送した。
オペラ歌手を目指す女子高校生と在日朝鮮人の恋を軸に、愛や夢を見つめる青春ドラマだ。舞台は、山口県の下関。
安藤サクラさんは、奥田監督の次女。当初は、主役の友人役で出演する予定だったが、突如クランクインの4日前、ヒロインに決定したという。「主演女優が急に出られなくなったのです。監督に、高校生の役なんだからもっと声のトーンを高くしろ! と言われ、役柄のために歌や方言を覚えたり、必死に脚本と向き合いました」。本作の合唱曲アドバイザーに三枝成彰、歌唱指導は、オペラのプリマドンナ塩田美奈子と最強だ。
安藤さん演じる岩田真理子を、ボランティアでボディガードする青年役に、同じく新人の佐々木崇雄。相手役の印象を伺った。「男前。身長差がありました。モデルをされていたので、私が苦手な、自分の見せ方をすごく知っているなぁと思いました」。
奥田映画では、これまでも監督自ら出演してきたが、ほか、夏木マリ、北村一輝など常連キャストに加え、石田卓也、かたせ梨乃。さらに、大友康平、綾戸智絵、島田雅彦、江原啓之(スピリチュアルカウンセラー)など、異色な配役も面白い。母である安藤和津さんも出演し、スーパーバイザーとして参加している。
このデビュー作でヌードになった心境については、聞かないわけにいかない。「それは、この作品にあるべきシーンだったので、岩田真理子として脱ぐということは、全く抵抗なかったです」。自分の身体に自信がないというが、きっぱりと。安藤さんは、幼い頃から役者になると決心していた。高校卒業の前に、両親にその秘めていた決意を告白したそうだ。「『風の外側』という映画は、家族のあり方を、そして、家族の中での私の位置を変えてくれた作品です。今までも父の映画の脚本などには関わってきましたが、両親と姉が映画の話をしているとき、自分だけ入っていけないんではないかと卑屈になっていました。私の心を開放してくれた作品です」。最初は、父が監督で、娘が演じる側という状況に戸惑いがあったというが、岩田真理子という役が、自身を成長させ、支えてくれたようだ。
母の安藤和津さん譲りの気品を漂わせる現役大学生の安藤サクラさん。「以前に、父の監督する現場に見学に行った際、父親をカッコイイと感じました。すごい数のスタッフの中心にいる姿は本当に素敵だなと」。でも、プライベートのお父さんと監督としての奥田さんは違うという。「父とは正反対のタイプと結婚したいです。例えば、動物で言えば、象のような。優しさがある人……」(笑)。プライベートの過ごし方は、「母と姉とすごく仲が良くて、家の中で過ごしがちです。一緒にご飯を作ったり、食べたり、犬の散歩をしたり」。
まだぎこちないけれど、精一杯、仕事をしたい。そんな気概が伝わってくるインタビューだった。
物語)オペラ歌手を夢見て、名門女子高の合唱部で歌う岩田真理子。見知らぬ青年に、大切な楽譜を失くされる。代償として、物騒な下校時のボディガードになるよう依頼する真理子。親密になっていく2人だが、青年は、名前すら教えない。やがて、在日朝鮮人3世、チョ・ソンムンだとわかる。彼は、生活のために悪事に手を染め始める。互いに惹かれ合いつつも、立場も違う2人。ソンムンに、仕事上の苦渋の選択を迫られる日がやってくる。その日は、真理子の合唱の発表会だった――。
奥田瑛二監督『風の外側』
新宿K‘s cinema ほか公開中。 By Director H.
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