現在公開中の本格アクション映画『インビジブル・ターゲット』。アクション映画好きは、番組で紹介した本作を劇場でご覧いただいただろうか。
若い三人の警察が、それぞれの思いを抱き凶悪犯を追い詰めていくストーリー。
物語は、香港の繁華街で真昼に現金輸送車が襲撃される事件から始まる。この爆発により、事件は多くの死傷者を出す。香港警察のクールなチャン刑事(ニコラス・ツェー)の婚約者も、事件の巻き添えになり命を落とした。一方、過激な捜査で知られる、フォン警部補(ショーン・ユー)は、怪しい車を取り締まった際、乗っていた襲撃事件の犯罪グループに抵抗され、悪玉のヨンサン(ウー・ジン)に弾丸を飲まされて逃げられる屈辱を受ける。事件の容疑がかけられた行方不明の兄タツの汚名を晴らそうとする心優しいワイ巡査(ジェイシー・チャン)。
婚約者の復讐を誓うチャン、名誉挽回をかけるフォン、兄の無実を信じるワイ。
三人がヨンサンに立ち向い真相に迫ったとき、事件の黒幕が浮かんでくる――。
英語「インビジブル・ターゲット」とは、「見えない標的」のこと。監督は、ベニー・チャンさん。1990年、『アンディ・ラウの逃避行』で映画監督デビュー、近年では『香港国際警察/NEW POLICE STORY』、『プロジェクトBB』など香港映画界のヒットメーカーだ。7月、来日時に都内・渋谷で竹川アナがインタビューした。
Q. 監督は、アクション大作を手掛けてきましたが、本作でのチャレンジは?
A. これまでの作品と違い、本作は身体を張ったアクションや、接近戦が増えています。90年代の質の高いアクション映画、例えば、ジャッキーとサモ・ハンとユン・ピョウが闘ったような作品のように。これまでも、爆発とか、ガン・アクションは足していましたが、それよりも肉弾戦を多くしました。だから、90年代の素晴らしかったアクション・ムービーのテイストを盛り込んで、更に当時のアクション・レベルに引き上げようとして頑張った映画といえます。
Q. 香港映画界全体にカンフー映画の原点回帰のような流れはありますか?
A. 何よりも、アクションをちゃんとできる役者がいま減っています。でも、アクション映画を好きな方は未だに多いと思うんです。カンフーやボディー・アクションを好きな人はいますね。でも、作り手もなかなか作れない状況にありますよ。例えば、次のアクションのある映画を誰に演じさせようかと考えたとして、思い付くとしたら、ジェット・リー、ドニー・イェン。次が出てこないんですよ。だから、今回例えば、ニコラスがバトンを受け継いでくれて次世代のアクション・リーダーになってくれたら。本作に出演しているウー・ジンも、これからのアクション俳優を引っ張っていってくれるようになっていければいいなと思います。ただ数はやっぱり減っていますね。
Q. 本作に出演のニコラス・ツェーさん、ジェイシー・チャンさん、ショーン・ユーさんは、監督の「新しいスターが育って欲しい」という期待からキャスティングされたと思います。実際に仕事された感想はいかがですか?
A. この三人に最初にオファーを出したとき、同じことを言いました。「殴られたりするのを耐える必要があるよ。それでもやるか」と。三人とも、「じゃあ試してみます」と引き受けてくれました。「スタントマン(危険な場面の代役)を使えないからね」という点もOKしてもらいました。結果的に三人とも非常に満足した出来でした。ちなみに、撮影終了後、ニコラスはニコニコしてすごく喜んでいました。ジェイシーは、「疲れた、しんどい」って感じで。ショーンも「もうアクションはいい、休みたい」って。でも、三人ともこの映画でアクションをする能力があるっていうのを一般の観客に観てもらうことはできたと思うんです。ただ、その後アクション映画の路線に走るのかどうかは、三人がそれぞれで決めること。
Q. ジェイシー・チャンさんは、ジャッキー・チェンさんの息子さんです。お父さんからは、監督に息子さん演出のうえで何か言われていましたか?
A. 私だけでなく、メディアやスタッフの方々に、ジャッキーさんがいつも言っていることがあります。「息子がもっと苦しめばいい。もっと壁にぶつかって、失敗すればいい」と。親心ですね。経験して、揉まれて、鍛え上げられていくというのをジャッキーは期待しているんです。だから、「俺の息子だからって、特別扱いはしないでくれ」という風なことを全てのスタッフに言うんですよ。
Q. 今回、ヨンサン役のウー・ジンさんも光っていました。
A. 我々は、いまカンフー、肉体アクションを撮るときは、まず最初にウー・ジンをリストアップします。彼は新しい世代のアクション俳優のリーダー的な役割を担っていますよ。ジェット・リーと同様に、中国の武術大会で彼もチャンピオンになっていますしね。将来的にも貴重な人材です。
Q. 監督の次回作は?
A. ハリウッドのサスペンス・スリラー『セルラー』のリメイク作品です。ヒロインが、キム・ベイシンガーでした。作品の版権を、香港初として正式にハリウッドから買取りました。恐らく10月に中国で一斉公開になります。
ベニー・チャン監督が、スタントなしの本格アクション映画を撮った理由を熱く語ってくれた。香港警察を演じた若手俳優ニコラス・ツェーさん、ジェイシー・チャンさん、ショーン・ユーさんの勇姿と努力、そしてやたらとガラスが割れるド迫力の映像をスクリーンで体感して欲しい。ストーリーも緊迫感に溢れている。
『インビジブル・ターゲット』、シネマスクエアとうきゅうほか全国順次公開中。
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By Director H.
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